【楽しませるだけではダメ!】少年野球チーム体験会の内容・メニューはこうあるべき
体験会の鉄則
「子供」には楽しませる
「親」には事実を伝える。そしてメリットを伝える(チームのメリットではなく、親のメリットを)
「子供」には楽しませる
体験会に来た子供たちには、とにかく楽しんでもらいましょう
楽しくなかったら入団するはずがありませんからね。
楽しませることが大前提です。
では、どうやって楽しませるか?
その子のレベルに合った練習をさせる
これに尽きます。
初心者・低学年用のメニュー
体験会には、低学年の子供や、運動が苦手な子供が参加することもよくあります。
そのような子供たちは、当然ですが、チームの通常の練習には参加させません。
初心者グループだけを集めて、その子達のレベルに合った内容の練習をします。
キャッチボールができない子は、コーチがつきっきりで近い距離から優しくボールを投げてキャッチする練習をする
ティーにボールを置いて打たせる
手ノックをする
そして、最後は4つのベースを用意して、フリーバッティング。
近くから、トスを上げてばこーん≠ニ打たせる。
そして、ベースを一周してホームラン。
なんだかんだいって、子供にとってはバッティングが一番楽しいものですからね。
上級者用のメニュー
野球経験のある転校生が体験会に来ることもあります。
そのような子はすでにレギュラー選手と同レベル(あるいはそれ以上)であることも多いです。
そのレベルの子は、レギュラー組に入れて通常の練習に参加させます。
特別な配慮はいりません。
チームのレギュラー組と同じように接し、同じ練習をさせます。
それこそが、その子にとっての楽しい時間≠ナすから。
中級者用のメニュー
レギュラーのレベルではないけれども、ある程度野球ができる子、運動センスがある子たち。
この子供たちには中級者用のメニューで練習をさせます。
もともと3〜4年生用の練習メニューがあるチームであれば、そのメニューに参加させたらいいでしょう。
しかし、そのメニューがないチームであれば、体験会限定で中級者用のメニューを実施しましょう。
中級者グループを集めて、その子たちのレベルに合わせてキャッチボール、ノック、フリーバッティングをさせて、楽しませます。
なお、中級者をレギュラー組の練習に参加させるチームもあるようです。
まあ、それでも子供たちを楽しませることはできるでしょう。
でも、これをやってしまうと、レギュラー組の普段の練習を見ることができなくなります。
これはまずいです。
だって、そこを見るために来ている「親」もいますから。
「親」に普段の練習を見せるために、レギュラー組の練習は通常通りに実施した方が良いと思います。
プレゼント
参加してくれた子に、ちょっとしたプレゼントをするのも効果的です。
例えば、「お菓子」をあげたら低学年の子供は本当に喜びます。
「ボール」をプレゼントしたら、ますます野球をやってみたい、と思うでしょう。
使える予算の範囲内で、なにか一つ、プレゼントをするといいと思います。
意外に効果がありますよ。
(*これ言うの2回目ですが、一人入団すれば毎月の部費収入が発生します。すぐに元はとれますから!)
違う顔≠見せない
普段の監督はとても厳しいのに、体験会の時だけは優しい・・・
体験会あるあるです。
確かにね、そうなりがちですよ。
だって、せっかく体験会に子供たちが来ているのに、怒鳴り声を出して、それで逃げられたらもったいないですから・・・
でも、それはダメです。
いつもと違う顔を見せたらいけません。
普段、監督・コーチが上級生やレギュラー組に対して厳しく指導しているのであれば、体験会の時も同じようにすべきです。
体験会の時だけ違う顔≠見せて新入部員を誘っても、どうせ入団後にばれます。
入団後に本当の顔≠見てしまうと、不信感につながります。
最悪、辞めてしまうことになるでしょう。
そして、そこからチームの悪いうわさが流れ始めます(これ、怖いですよ)。
やがて、体験会を実施しても人が集まらない事態に・・・
だから、体験会の時もいつもの顔≠ナいきましょう。
もちろん、普段厳しいからと言って、体験に来た1年生にも厳しくすべき、というわけではありませんよ。
でも、上級生に対する態度まで変えたら、後から不信感を抱かせるだけですから。
「親」には事実を正確に伝える。できるだけ数字で。
体験会に参加した「子供」に対しては、基本的に楽しんでもらえたら成功です。
でも、「親」に対しては、そうじゃないですよね。
親は楽しむために来たのではありません。
子供が興味を抱いたこのチームはどんなチームなのか?
そこが知りたくて来てるのです。
親は体験会に来る前に、チームのホームページを見ています。
チームの指導方針、親当番の内容といった基本的な情報は読んでいます。
「でも、実際のところ、どうなの?」
ここが知りたいわけです。
ですので、体験会に来た親御さんたちには、チームの代表者(父母会長や婦人部長など)が積極的に声をかけてあげましょう。
そうすれば、必ず親御さんたちから質問があるはずです。
「遠征費についてなんですけど・・・年間でどれくらいかかるのでしょうか?」
「試合の時の母親の当番ってどれくらいの頻度になるのでしょうか?うちは小さい子がいるものですから、参加が難しい時もあると思うのでそこがちょっと気になりまして・・・」
こんな質問が来た時に
「あ〜、たいしてかかりませんよ。具体的な金額はチームがどれくらい勝ち進むかによるんですけどね・・・まあ、そんなにはかからないですよ。うちは強豪じゃありませんからね、アハハ・・・」
「あ〜、皆さんそれぞれ事情がありますからね、ご都合がいい時に来てもらうようにしてますよ。そんなに大変じゃないから、大丈夫ですよ〜」
なんて曖昧な返事はNG
詳しい事が聞きたくてわざわざ参加したのに、曖昧な回答しかもらえなかったら、信用されません。入団してもらえません。
逆に、「大丈夫ですよ〜」を真に受けて入団したら全然違った、なんてことになったら、トラブルになったり、退団にもつながります。そして、悪評が流れ始めます。
だから、事実を伝えましょう。
言いにくい事もあるでしょうが、それでも包み隠さずに話すことが信用につながります。
しかも、できるだけ具体的な数字で。
「去年の遠征費は、トータルで一家庭約○○円でした。もし仮に夏の全国大会に出場していたら、プラス○○円必要になってました。ですので、今年全国大会に出場できればだいたい○○円になる見通しです」
「試合の時は母が最低5人必要になります。ですので、現在の母の人数では3試合に1回は当番で来てもらうことになります。もし今後、母の数が増えれば、4〜5試合に1度の当番になります」
このように、できるだけ数字で回答しましょう。
「そんなに大変じゃないですよ〜」などという感想≠伝えられても、判断基準になりませんからね。
しつこくしない。強引に誘わない。「親」のメリットを伝えるべし
「うち、今人数ギリギリなんですよ〜。○○君が入ったらすぐレギュラーです!ぜひうちの戦力になってください!絶対に必要な選手です!」
みたいな。
体験に来た親御さんに、結構強引な感じで入団を勧める人も結構いますね。
まあ、気持ちはわかりますよ。
苦労してチラシを配って、体験会に誘うことができたのですから。
逃がしたくないですよね?
でも、やっぱりしつこい感じで誘ったら、逆効果ですよ。
ショップに行って店員にしつこくされたら帰りたくなりますよね?
それと同じです。
なので、勧誘の言葉は慎重に選びましょう。
相手のメリットになることを伝える
これに徹すべしです。
そもそも親御さんは、あなたのチームのために体験会に参加したのではありません。
我が子のために参加しているのです。
だからまずは、親御さんの話を聞いて、[お子さんがどんな子供なのか]を探ります。
そして、親御さんが[その子にどうなって欲しいと思っているのか]を見極めるのです。
そうすれば、その親御さんにとってのメリットが見えてきます。
「○○君は2年生ですか。あ、レフト守っている子を見てください。アツシっていう子で、今3年生なんですけどね。1年前に入ってきたときは、キャッチボールもまともにできなかったんですよ。それまでほとんど運動していなかったみたいで・・・。でもね、よく見てください。1年間がんばったら、あんなに上達するんですよ。○○君もきっと上手くなると思います」
「うちの子も元々引っ込み思案で、友達も少なくて、イジメられていた時期もあったんですけどね・・・でもこのチームに入って野球に打ち込むようになって、すごく明るくなったんですよ。今では学校でも友達がたくさんできたようで・・・自分に自信が持てるようになったんだと思います」
「うちのコーチはテックロ大学のエースだったんですよ。今でも指導方法を熱心に勉強している理論派コーチです。○○君と同じ左投げなので、参考になる部分は多いと思いますよ」
みたいな感じで。
要するに、このチームに入ったら、子供はこんなにも成長しますよ≠ニいう親にとってはこの上ないメリットをさりげなく伝えるのです。
メリットをさりげなく伝えると、深く心に入っていきます。
ビジネスでは消費者に行動を起こさせるために、消費者のメリットを伝えます。
野球チームの体験会でも同じです。
「絶対に必要な選手です!」
チームのメリットを訴えても、響きませんよ・・・
まとめ
とにかく「子供」を楽しませましょう!
子供が楽しくなかったら、それで終わりですから。
次は「親」です。
でも、この二次試験の方がハードルは高いです。
「親」には親側のメリットを伝えてその気にさせましょう。
その上で、「親」にしっかりと事実を伝えて不信感をなくし、その後のトラブルを防止するのです。
ツイート